地球大気の構造

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大気組成

地球は太陽系の惑星の一つであり, 今から46億年前に誕生した. 太陽や太陽系の他の惑星と同様に, 地球は宇宙に漂う軽い原子(水素やヘリウム)の星間ガスや宇宙塵が次第に凝集することにより生成したと考えられている.

地球の中心には主として鉄やニッケルからなる核があり, その外側を主にケイ素の酸化物からなるマントルと地殻が取り巻いている. この地球の化学組成は, 質量の99%が水素とヘリウムで形成されている太陽や宇宙全体とは大きく異なっている.

次に, 地球大気の化学組成について考える. 水蒸気が含まれていることが地球大気の特徴である. この水蒸気を除いた空気を一般に乾燥空気と呼ぶが, その組成は高度約 \(80\mathrm{\, km}\)までほとんど変わらない.

大まかに言えば, 容積比で大気の約78%が窒素, 約21%が酸素である. 太陽の組成に比べると, 水素やヘリウムが極端に少ない. 太陽と地球は同じ星間物質から生成されたにもかかわらず, どうして現在ではこれほどまでに違うのであろうか?

原始地球は太陽と同じく水素とヘリウムを主成分とする大気をまとっていたと考えられている. しかし, この原始地球大気は, 太陽風と呼ばれる太陽から噴き出す電気を帯びた微粒子の流れによって吹き飛ばされた. すなわち, 現在の地球大気は, そのあとで二次的に固体地球表層から噴出したガスが進化したものである. 固体地球表層からガスが脱出する過程を脱ガスという. 脱ガスは微惑星の落下衝突や火山爆発によって起こったと考えられている. 酸素以外のガスは, この噴出するガスの中に含まれている.

酸素を生成したのは, 20億年前に地球上に登場した植物による光合成反応である. すなわち葉緑素(クロロフィル)が太陽放射を吸収して, 水と二酸化炭素から生物に有用な有機物を作る反応である.

最初の生物は海洋中に発生した. これは, 太陽光線に含まれる紫外線(\(0.3\mathrm{\, \mu m}\))は生物にとって有害であり, 生物が発生するには紫外線の届かない海洋中しかあり得なかったからである. 海中で生成された酸素は大気中に移動し, 紫外線による光解離によりオゾンが生成された.

大気中にオゾン層が発達すると紫外線はオゾン層で吸収されるので, 地表面に到達する紫外線の量が減少する. こうして徐々に生物は活動範囲を広げ, 4億年前にはついに陸上に生物が出現したものと考えられている.

大気の鉛直構造

ブリューワードブソン循環

成層圏で起きる現象

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